« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »

2008年9月

素材

先日、大光電機さん(照明メーカー)の主催で、日本建築家協
会の出江寛(いずえかん)会長の講演会が和歌山でありました。

この先生は、知って知らずか十数年前から、同じ内容の講演を
いつもします。 実は私は今回で4回目となります・・・

でどうかと言いますと(^_^;) 
勉強になりました!

人間解っているようで、実際は解っていないと言うか、忘れて
います。昔読んだ、本や漫画を再読しても、新たな発見や感動
があるように、また感じるものがありました。


Photo_2
先生のHPより、僕の好きな朧月夜の家
の写真をお借りしました。
和風をモチーフにした建物を得意とさ
れています。
 
 
 
本物の素材を使うのが重要で、新建材は悪である。また芸術の
話をしているのであって、道徳のことを講演していないと言う
お話がありました。

私もそう思っています・・・本物であること素材感を大事にし
た建物を設計しています。

しかし、本物の素材は材料費もさることながら、圧倒的に手間
代が掛かります。 費用に余裕の無い建物はよくあります。
新建材が悪であるならば、建築を諦めるのでしょうか?

もちろん、ローコストでも素材感のある家は可能です、しかし
それは、多くの方が許容できる内容の設計だとは言えません。
 
 
 
ご依頼主にとっては、芸術的であることより、幸せに暮らせた
り、効率よく仕事が出来たりすることが、本来の目的です。

日本建築家協会は、欧米では建築家が医者や弁護士と並ぶ、職
能人であるに対し、日本では地位が低いと、地位向上の運動を
しています。
その建築家の立場を、芸術家の枠の中に押し込めていては、と
ても世間から認められることは無いと思います。

私はご依頼主にとって、良い方法を提案するのが、重要で適材
適所を行うことが、恥ずかしい事だとは思っていません。

文化や町並みは、まだその先にあるもので、みんなが少しづつ
貢献して行けば良いのではないでしょうか?

長文になりました、読んで頂いてありがとう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

PONYO

見ましたよポニョ!

妻と娘の三人で行ってきたのですが、家族連れ満席でした。

実は、一月前に抜け駆けしてまずは一人で観ようと、こっそり
映画館に行ったのですが、あまりの子供の多さにあっけなく退
散・・・ムムム〜手強い!

夏休みが終わってからにしようと、ずっと我慢をしていたので
すが、たぶんポニョの歌は200回位は口ずさんでいます。

もちろん、一度チャレンジしたのは内緒です(^^;)
 
 
 Ponyo_banner_4
さかなの子ポニョが5才の男の子宗介と
出会い人間になりたいと願う物語
ストーリー的には物足りないと感じる人
も多いと思いますが、それ以上に、女の
子になったポニョのかわいさには癒され
ます。
 
 
映像の斬新さや美しさで目を引くのでもなく、物語にひねりが
あるわけでもなく、あれよあれよと言う間に終わってしまう感
じですが、また観たくさせます。

あんまり頑張ってなさそうな、ゆるいところが良いのかもしれ
ないですね、それが計算なら宮崎監督って余裕だな〜
でもまさか呆けてはいませんよね??

そうそう、それと公開前にやたらと宣伝するのはどうでしょう
世界の宮崎なんだから作品で勝負して欲しいな!
周りがそれを許さないんだろうけど・・・

| | コメント (0) | トラックバック (0)

特殊と特別

 「特殊化のはてにあるのは緩やかな死よ」

10年ほど前の映画での、主人公のセリフですが、現在も影響
を受けている言葉の一つです。
ご存じの方もいると思いますが、出典先はあえて触れません。


多くの建物が、大手ハウスメーカーや、地場の不動産系ビルダ
ーで占める現在、地方の設計事務所の仕事はニッチ(すきま)
産業となりつつあります。

設計事務所に、設計依頼をしてくる依頼主は、以前にまして、
一部の特別な方が増えています。
(建物にこだわりを持った方、豪邸、ローコスト住宅等)

設計事務所も、生き残りを賭けてデザインや工法など特色を持
つよう努力しています。
そうしないと生き残っては行けないという事情もあります。
(またそれは、魅力的な仕事でもあるので・・・)

その上、大学の建築科の教育でも、やはり奇抜なものや、新し
い設計すると評価される風潮があり、そう言う考えの設計者を
生み続けています。
 
M
 卒業設計日本一決定戦が行われる
 せんだいメディアテークです。
 私の学生時代は、各大学の受賞作
 を持ち寄る展覧会や、雑誌しかな
 かったので羨ましいですね。
 まさしく建築科学生の甲子園です!
 
 
 
現在多くの設計者が、建築家を名乗り、他にはない特殊な建物
を目指しています。
しかし私は、その先にあるのは冒頭のセリフ通り、設計業界の
衰退であると感じています。
(もちろん特殊性が建築家であるとの言う点もありますが)

しかしご縁のあった、ご依頼主は自分の要求に合った特別な
(オーダーメードな)建物を求めていますが、特殊な建物であ
ることを、第一としていないと、私は実感しています。

誰でも手に入れられる一般的に普及した、適切な価格の材料で、
通常の技量で工事でき、メンテ性の良い長寿命な建物の実現が
本来は競うべき設計者の能力であり、そうあるよう、私はずっ
と進路をとっています。

さて吉とでるか凶とでるか・・・

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2008年8月 | トップページ | 2008年10月 »