10年一分
一分 いっぷんではありません。
いちぶ(約3㎜)のことです。
紀の川市には、伝統的にシコロ(農家形式の家)が多く存在し
ますが、外壁の腰部分を板張りとするのが標準的です。
シコロを手掛ける大工の口伝では、この外壁の板は杉の場合は
10年間で3㎜づつ減っていくと言われています。
焼き杉にしたり桧にしたり工夫をしますが、長寿命なシコロか
ら考えると、最終的には張り替えが前提となっています。
しかもシコロの家は、平屋が多く庇が長い為、雨水がかかりに
くいので、なりたつ側面があります。
しかし現在は、板張りで庇のない四角い家が、誌面を賑わして
います。
これは、内部に丈夫な防水層を有しており、施主の了解があっ
たとしても、家と言えるのか私は疑問に思っています。
もちろんオブジェとしての完成度は高いですが・・・
1.5Mの庇長さをとった自邸
設計当初から木材の劣化及び
修理を前提に設計している
この年始年末休暇に、自分で自宅の外壁を5年ぶりに再塗装を
したのですが、やはり劣化は紫外線よりほとんどは、雨水によ
る影響であると再認識しました。
これは木材保護塗装が、紫外線を防ぐ効果が大きいものの、撥
水効果が少ないところによると思われます。
つまり、マメに再塗装をしても、雨水による影響は避けら無い
のです。
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