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2009年7月

構造について急

実際どのような構造としているのか?

私はきわめて標準的な方法をとっています。
外壁廻りに面材を打ち付け構造用壁とする工法です。

これは木造の欠点である剛性の少なさ(つまり揺れやすい)
や気密性の弱さを補うことのできる方法で、現在ではもっとも
普及している工法と思われます。

同時に筋交いを併用するのが一般的ですが、構造特性の違う2
つの工法を併用することについての工学的特性は、現在明確な
答えはありません。
今後、Eディフェンスなどの実物大実験で明らかにされていく
ものと思われます。

面材には4年ほど前までは、壁内結露を考慮してシージングボ
ードを多用していたのですが、徐々に地域別の必要な性能が明
らかにされてきた為、ここ数年は外壁の仕様や建物の用途によ
りダイライトと構造用合板を使い分けています。
(今回の次世代省エネ基準の改正で、より明確化されたことは
地域での標準を決める上で非常に有用な指針です)
 
 
 
Dairaitoダイライトは耐火.防蟻.透湿
すべてが良い材料なのですが
釘打ちが難しいのが欠点でした
釘の重要性の知識がほぼ建築界
に浸透したので、今後は更に積
極的に使って行く予定です。
 
 
 
現在、日本のプレカットの普及率は90%を超えています。
私は現在のところ60〜70%です、どうしても複雑な構造や
自然乾燥材の使用を考えると必要なのですが、特注に対する
プレカット工場の受け入れ態勢も整いつつあるので出来るだ
け90%に近づけようと現在考えています。

あるご依頼主にも、構造耐力上で手刻みが良いのではとのお
話を頂いたのですが、こう御説明をさせて頂いています。

現在、プレカットと手刻みの費用の差は、坪2万円を超えま
す、つまり標準的な家では70〜80万以上の差額がでます。

手刻みの耐力が多少良いところで、これだけの費用があれば
継ぎ手の出ない長い材を使ったり、筋交いの数を増やしたり、
半分の費用で、それ以上の耐力のある家を建てられます。

手刻みが好きで採用するなら良いのですが・・・
耐力上の理由で採用する必要はありませんと。

大工の技術を重要視すると雑誌に書いてありましたけど?

刻むのだけが大工さんの腕では無いです、良い内装を工事を
するにも、それ以上の技術が必要です。
良い家を造るには、良い大工さんが欠かせません。

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構造について破

「耐震等級3相当」なんて広告を良く目にしませんか?

これは、建築基準法で決められた耐震性能を「等級1」として
その1.25倍の性能を「等級2」、その1.5倍の性能を「等
級3」とすると、住宅性能表示制度で定められた基準です。

ここで注意なのは、多くは「等級3」相当であったり対応であ
ったりすることです。

これは実際には、住宅性能表示の申請を行っている建物は2割
程度(最近では3割に近づいている)で等級の申請はしないこ
と、また間取りなどが制限されるため、実際はクリア出来ない
場合があるためです。

今後は、長期優良住宅の条件として「耐震等級2」が定められ
たため、これをクリアする住宅がスタンダードとなる日は近い
と思われます。
  
 
 
Photo
有名な清水の舞台です。
よく見ると筋交いが入っていません
実は昔の建物は、木のめりこむ力で
もっています。
 
 
 
 
私は、予算のかぎり「耐震等級3」相当であることを設計の第
一条件としてやってきました。大きな窓を取ったり、自由な間
取りをとることは難しくなります。
それでも、一世一代の買い物をするご依頼主のことを考えると
そう考える設計者も多いと思います。


しかし設計事務所の設計した住宅には、大きな開口部や吹き抜
けを設けたものがよく見受けられます。
おしゃれではありますが、この様な雑壁(耐力壁でない壁)や
床剛性の少ない建物は、従来の壁量計算(筋かいの数など)だ
けでは、耐震性能を満たしていない可能性があります。

現在、家を設計中で心当たりの方は、せび設計者にどういった
計算方法でどういった耐震性能があるのかを聞いてみてくださ
い。

建築基準法での基準「耐震等級1」は、数百年に一度の地震で
倒壊、崩壊せず、数十年に一度の地震で損傷しない程度となっ
ています。
つまり、大地震では倒壊しなくても、使用不能になる可能性が
ある、命を守るための最低限の基準なのです。

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構造について序

ご依頼主の関心ごとの一つに耐震性があります。
南海地震の発生周期に近づいていることもあり、ご依頼主の意
識も日々UPしてきています。

各論賛成総論反対と言う言葉がありますが、建築界ではよく一
般解か特殊解かとして議論されます。

20世紀の三大建築家の一人フランク・ロイド・ライトの傑作
に落水荘という別荘があります。
この別荘、日本名があるぐらい有名なのですが、名の通り滝の
上にせり出した形状をしています。ご存じの方も多いのでは?
 
 
Photo かっこいいですね。
ミースのファンズワース邸と並び
最も有名な住宅です。
建築を学んだ者で知らない人はいません!
  
 
この別荘が傑作なのは、誰もが認めますがだからと言って、み
んなの家を滝の上に建てようと、進めるのが正解ではありませ
んよね。

つまり特殊解と言われるものです。

TVで免震や制振の設備のCMを頻繁にしているので、一般解で
あると思われがちですが、現在の新築木造住宅で考えると、免
震及び制震は特殊解であることを知って頂きたいと思います。

免震構造は千軒に一軒、制震構造で百件に一軒ぐらいの普及率
のイメージで良いと思います。

両設備とも有効であり、特に制震金物は40〜50万程度で設
置でき、特殊な技術を必要としないので手軽ですが、設計者と
しては、積極的に設置を進めるエビデンスがありません。

つまり、費用的に割に合うかのどうかの解答はありません。

「わかった上でそれでも必要とされる方には賛成です」

私は地味ではありますが、基本であり、もっとも確実で、少な
い費用で性能をUPできる、耐震構造についてもっと関心をも
ってもらいたいと考えています。

あなたの家は、どの位の耐震性能で設計されているかご存じで
すか? 

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感謝

ここ一ヶ月休みをとっていません。
この不景気に贅沢な悩みで、ご依頼主に感謝の一言です。

和歌山にあった設計料を心がけていますが、経営理念にあるよ
うに、それ以上の利益をご依頼主に提供するのが目標です。
忙しさで、それが疎かにならないかが、気を付けなければなら
ない点だと思っています。

それはさておき、家族をほったらかしでしたのでこれは
「まずい」と日曜日に、早く切り上げて温泉と食事に行ってき
ました。

と言っても、ラーメンを食べてから、かつらぎ町の「蔵の湯」
のコースですが・・・
 
 
Photo_2海南市で廃業した老鶴酒造の蔵を
移築したもので、大正6年の建物
だそうです。
今では無くなった、松の梁材がいい
雰囲気を醸し出しています。
掛け流しですし、人も少ないので
ゆっくり入れます。
 
 
私は独立前の事務所では、旅館とくに温泉や浴場の設計をする
機会が多かったので、建物が気になってしかたありません。

久々だったこともあって、穴が空くくらい見てきました。

あまり知られていませんが、木造の大規模施設で有名な一色建
築設計事務所の設計です。予算上か床がタイルなのが残念です
があとは目を見張るものがあります。

木造の大浴場といえば、青森の酸ヶ湯温泉の千人風呂などが有
名ですが、現在設計するとなるとかなりの勇気と知識が必要で
す。腐朽や法律的な問題など一筋縄では行きません。

実際、酸ヶ湯温泉は10年に一度大改修をするそうです、蔵の湯
は出来て6年ほどですが、これといった腐朽は見当たりませんで
した、やはり大空間であることと自然換気が良いのでしょうね。
考えさせられる建物であります。
 

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