« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »

2010年9月

百日紅

百日紅・・・そうサルスベリのことです。

たぶん花が100日位咲き続けることが漢字の由来でしょう。
幹がツルツルで猿でも滑りそうから、読みは猿滑り・・・

ややこしい木ですが、大木になることなく、長く花が咲くので
3本4本目にはオススメの木です。

近年の人気の植栽は、ヤマボウシ、ハナミズキ、シャラノキ
シマトネリコと言った洋風?の木が人気ですので組み合わせが
少々難しい所が難点でしょうか?
 
 
Sarusuberi我が家の階段を上り始めると
玄関のFIXガラスから
百日紅が見えてきます
まるで絵画の様だな〜と
いつも思っています。
 
 
家の良さの3割は、外構や植栽で決まります。
予算上しかたない理由もあるのでしょうが、良い家なのに周り
に全く手を加えていない建物をよく見かけます。

それでは建物が泣いています、設計者としては避けたいもので
す、外構まで含めたできるだけバランスの取れた予算配分をい
つもご提案させて頂いています。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

フックは必要か?

さて、地盤関係の話題が続きましたが、今回は基礎の話です。

一般の方でも、コンクリートが厚くて鉄筋が多い方が強いとい
う事はわかると思います。
その中で、案外曖昧にされているところに、基礎立ち上がりの
フックがあります。
 
 

Photo_4縦筋の頭を曲げてあるのがフック
通常、鉄筋の被り厚を確保するため
45°傾けます。 
主筋どうしの隙間は25㎜以上
あまり開けると断面性能が落ちます
 
 

実際はこのフックの無い建物が多いですね、そんな中、基礎の
立ち上がりは一本の梁として扱うので、フックはコンクリート
造の基準にそって必ず必要とする、設計事務所や工務店があり
ます。

フックを設けていることは、良い建物を建てる意識の高い所で
ある可能性は高いですが実は、両者の設計能力はよく似たもの
である場合がほとんどです。
(構造計算を木造計算の専門家に外注している所は別です)

無いよりは有る方が良いですが、上記で重要な部分は、梁とし
て扱う(つまり計算する)と言うことです。

フックが無ければ無い様に計算する必要があり、計算上フック
が無くても成り立つ部分も沢山あります。
私は、梁の種類によってフックの有り無しを使い分けています
があまり一般的では無いようです。
梁の種類を沢山つくると、計算や現場の検査が複雑になること
が一番の理由でしょう。

色々使い分けるが面倒なので、すべてフックを付ける方法もあ
りますし、大手ハウスメーカーではフックは付いていない所が
多いですね。

重要点は、計算上成り立っているかどうかと言うことです。

根拠なしにフックの付いている会社と、根拠があってフックの
無い会社という、実力の逆転現象も実はありえます。


余談
住宅レベルでは、基礎全体をモノコック構造として解析するこ
とはありません。 一本づつの梁やスラブがそれぞれ性能を満
足するように設計しますので、全体としては余力がある可能性
が充分あると私は思っています。
(今後、木造住宅の基礎はどう発展していくか・・・)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

地盤改良の落とし穴

ここ10年で地盤の危険に対する認識が浸透し、多くの家が地
盤改良を採用しています。

表面の地盤を固める表層改良と杭状に地盤を固める柱状改良が
スタンダードな方法として普及しています。
どちらにせよ、固化材(セメント)と現場の土混ぜることに変
わりは無いのですが、約5%の確率である問題が起こることが
分かっています。

それは、セメントと土を混ぜると「六価クロム」という発がん
性物質が発生するということです。
このことは、随分昔から分かっていたのですが、近年になって
やっと公共工事では、事前に六価クロムが発生するかの溶出試
験が義務付けられました。

厄介なのは、実際試験をしないと六価クロムが発生するか確か
めることができません。その上、試験が高額なので住宅レベル
では試験をすることはありません。

では、住宅は危険でもしかたないのか?

実はそんなことは無くて、六価クロムの発生の確率を下げるこ
との出来る改良材があってそれを使用します。
試験するより、その方が速くてしかも安いのです。
 
 
Photo
表層改良の場合はガンガン
セメントを土と混ぜます
和歌山の土質では平均的な
1/20程度の発生率のようです
 
 
 
実際問題としては、民間ではまだ規制されていないので対応し
た改良材を使っているの所は半分位だそうです。
使っている多くが、大手ハウスメーカーですので、設計事務所
工務店レベルでは無関心なところがまだ多いようです。

今後、普及していくでしょうが、六価クロムの発生した土地は
土を持ち出す場合に多額に費用が掛かります。
また、そんなに溶け出すものでないと、近年分かってきました
が、やはり井戸がある場合や家庭菜園などする場合は、問題あ
りです。


貴方の家はどうですか?

まにあう方は、六価クロム溶出量低減型を貴方の依頼先にリク
エストしてください、ほんの少しの費用です。

やっちまった〜って方は、その設計事務所や工務店との関係を
大切に・・
まだ、違法ではありませんし、必ず六価クロムが発生している
とは限りません。

また、セメントが土に触れる可能性をゼロにすることはできま
せんので勘違いなさらないように、あくまでも、杭などで大量
に混ぜるのは良くないということです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2010年8月 | トップページ | 2010年10月 »