完成度が高い
数年ぶりに和歌山を代表する製材会社であるY商店さんの見学
会に参加してきました。
林業からプレカットまでの全てを手掛けるY商店の紀州材は
昔からこだわりの品質で、いわゆる有名なブランド材です。
主に関東地域に供給しています。
今回の目的は、2年前に導入されたという最新鋭の「蒸気式減
圧乾燥釜」で人工乾燥された杉の平角材(梁材のこと)です。
自動で木材のヤング係数と水分を測る
機械です。ちなみに手動でヤング係数
を計れる計測器があるのですが高額な
ので手が出ません。水分計は比較的安
価なので自分専用品を使っています。
何度かサンプルを見ていたのですが、実際大量にストックされ
ている材を確認してみると、杉の高温乾燥材にありがちな色の
焼けや構造的な内部割れが少なく、機械等級によるヤング係数
(≒強度)の表示と相まって、工業製品的な完成度の高さが光
りました。
(ちなみに焼けが少ないのは、釜内の減圧によって乾燥温度を
70°に押さえているそうです)
実際に、紀州材の強さを構造計算に要いるには、ヤング係数の
表示が必要です。しかしY商店の技術や設備はJAS表示が可能
な先導的なもので、日本全体に普及するにはかなり時間が掛か
るでしょう。
でもその時初めて、国産材が商品としての競争力が付いたと言
えると思えます。一部の嗜好の方を対象としても、使用される
国産材は少量です。
使いやすい性能の国産材を、大量に供給できるY商店の仕事に
私は好意を抱きます。
もう少し手頃な価格ならもっと良いのですけどね・・・
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